【海外取引の基礎知識】海外取引の種類(契約類型)

現在では、中小企業も海外から安価な原料・製品を輸入したり、海外の優秀な技術を持つ企業からライセンスを受けたり、国内の販売能力を活用して海外企業の製品の代理点になるなど、海外企業との提携をしないと厳しい競走に勝つことができない時代となっています。これまでは海外取引(国際取引)などどいうものは、大企業のやるものと思っていた規模の企業でも、今後のビジネス展開のために海外に販路を見出すため海外企業との提携を検討する企業も増えています。というよりも、生き残りをかけて、そういった選択肢も持つことが中小企業であっても必須の条件となっているといえましょう。
そこで、海外取引の契約類型にはどういう種類があるのかみてみましょう。

輸出・輸入(国際売買契約)

これはもっとも伝統的な取引であり、何かを輸入したり輸出したりする取引です。
契約としては、相手方と売買契約を締結することになります。もっとも、国内における売買契約とは異なり、輸出入にともなって、引渡場所や方法をどうするか、途中で商品等が事故にあったような場合にどちらがリスクをふたんするのかという危険負担の問題などについて、詳細に契約書で定めておく必要があります。また、この分野ではウィーン売買条約という条約があり、その適用がされるかどうか確認し、適用される場合に契約でどのような工夫をするべきかは、必ず検討が必要です。

販売代理店契約

海外で貴社の製品を販売してもらう場合には、海外の販路を有する企業を利用することが便利です。その場合、海外企業に代理店になってもらう契約を締結します。または、貴社が海外の製品の販売代理店になることもあるでしょう。その場合も、やはり、この契約を締結します。どのような期間の解約にするのか、販売の条件はどうするのか、代理店への報酬はどのような決め方にするのか等々、検討するべきことは多い契約です。また、各国の独占禁止法の適用がある場合があるので、その確認も必要です。

OEM契約

貴社のブランドの製品を海外の会社に製造してもらう場合、このOEM契約を締結します。
貴社のブランドの製品が模倣されないよう、技術が流出しないように、いろいろな工夫が必要です。一方で、スムーズに製品が製造されるような技術提携、サポートが必要となる面もあります。パートナーにどのような競業制限を課すかも、考えておいてほうがよいでしょう。

ライセンス契約

海外の企業の技術を使って何か製品を作りたい、あるいは著作物を利用してビジネスをしたいというような場合に、その企業からライセンスを使っていいですよという許諾を受ける必要があります。それが、ライセンス契約です。
許諾される当事者としては、許諾された範囲が実際のビジネスの計画にあっているか、不当な制限が課されていないかなどの確認が重要です。
もちろん、保有する技術を使うことを許諾する場合にも、ライセンス契約を締結します。この場合は、許諾する当事者として、ライセンスの使用許諾の範囲がその対価との関係で妥当か、他の第三者にも使用許諾できるように排他的にしていないあ、排他的にするならどのような条件とするかなどを、検討する必要があります。

合弁会社の設立

海外で事業を行いたい場合、会社設立、従業員の雇用、販路開拓をすべて貴社が行うのは効率的でないでしょう。
すでにその国で事業を行っている企業をローカルパートナーとして提携してビジネスを進めることはよくあることです。
また、海外企業にとっても、貴社の販路やネットワークを利用して日本市場を開拓したいというようなことがあるでしょう。
あるいは日本でのビジネスを学びたいので提携したいという企業もあるかもしれません。
そういったニーズがある場合に、業務提携契約という形での実現も可能ですが、貴社と海外企業が出資しあって会社を設立してその会社がそのビジネスの主体と成るということもあります。それが、ジョイントベンチャー、合弁会社です。日本に合弁会社を設立する場合には、日本の会社法が適用されます。海外での設立であればその国の会社法制度が適用されますので、現地の弁護士との提携が必要となります。