【会社紛争のQ&A】当社の社員(または役員)が当社をやめてから、当社のノウハウをまねして同種の事業を起こしています。顧客リストも持っていったようで、顧客も奪われています。なにができますか?

小さいビジネスを誰かと一緒にやっていてうまくいった頃に、こういうことが起きるのはよくあることです。
社員にしたら、そもそも社長のビジネスを勉強して自分でもやりたいという気持ちで小さい会社に入っていることも多いのです。

一方で、ノウハウ・顧客ネットワークを利用して貴社と同じ事業をされては、貴社としてこれまで苦労して培ってきたものが、盗まれたも同様で大変困りますね。

会社法は、取締役が会社と同じ種類の営業を行う場合は、事前に取締役会の承認を得るように定めています。取締役の競業避止義務というものですが、ご質問のケースではやめられた方がやっているわけでこれは使えませんね。(取締役であれば、取引先・目的物・数量・取引期間その他の重要事実を取締役会に報告し、取締役会はそれを承認するかどうかを決定するので、そこで歯止めができるのです。)そもそも、何が競業かですが、現在のみならず将来において、市場での取引が競合する可能性がある事業と考えられています。今はA県でしかやっていないが、全国展開のプランがあれば他の県での同種の事業は競業です。

さて、今の状況で何ができるかですが、
① 就労規則で競業避止義務を課していた場合には、損害賠償の請求ができます。ただ、損害の立証は簡単ではありません。
② 競業避止義務がない場合、その人が取締役の場合には、やめる前からすでにいろいろ準備していてたとえば従業員の引き抜き行為もしていたような場合には、取締役の忠実義務違反を追及することも可能性としては考えられますが、立証が必要ですね。
③ 顧客リストの持ち出しがあった場合、この顧客リストがきちんと管理され通常はみられないようになっていたのであれば、不正競争禁止法による対応が可能となります。よって、リストの秘密情報としての管理は、このようなことの予防として大変有効だといえます。

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