【Q&A】特許に似た制度で「実用新案」というのがあるそうですが、何が違うのでしょうか?

 実用新案法は、特許法と同じく、新しい技術を保護する法律です。しかし、実用新案法は、物品の形状等に関連する簡単な技術を保護することを目的としているため、それらの制度に違いがあります。
 特許権ではなく実用新案権で保護を図る判断基準は、①短期権利化、②権利化費用の削減、③他社製品との差別化、④権利行使を行う気はない、といった点になるでしょう。
 実用新案法上の保護のメリット、デメリットを通して、特許法による保護との相違点を見ていきましょう。
<メリット>
・特許出願とは異なり審査がないため、出願から登録までの期間がかなり短くてすみます。特許が早くても2~3年ほどかかるのに対し、実用新案登録については出願から約6月後に登録(=権利化)になることが多いです。開発から市場流通までの期間が短い製品については、権利化までの期間が短いというのはとても重要になります。
・実用新案権の取得に必要な費用が特許と比較してかなり低額です。一概には言えませんが、特許権取得に必要な費用の1/2~1/3程度の費用(約25万~35万円)で実用新案権を取得することができます。
・精魂込めて開発した製品技術を「実用新案権」という成果に昇華させることができます。特許権の取得確率が約50%程度ですが、実用新案権の取得確率はほぼ100%に近づけることができます。中小企業にとっては、自社製品のパッケージに「実用新案登録済」と掲載できることになるので、他社製品との違いを強くアピールすることができるでしょう。
・実用新案権を短期間で取得することができるので、交渉材料に利用することが容易になります。一般的に、出願しただけの状態では交渉材料にすることが難しく、権利化して初めて交渉材料に使えるようになることも多いため、短期間で権利化できるのはこういった面でも有利になります。
<デメリット>
・権利期間が出願日から10年と短期間です。特許権の存続期間は出願から20年です。
・権利行使をする際には法律上かなり気を使わなければなりません。特許権を取得した場合、特許庁での審査を経て権利化されているため、権利行使に気を使う必要は特にありません。しかし、実用新案権の場合、特許庁での審査を経ていないため、権利行使をするためには、①実用新案技術評価書を特許庁に請求し、②それを相手方に提示した上で、③侵害等の警告をする必要があります。さらに、実用新案技術評価書の内容等により実用新案権に無効理由があることが分かっている状態で権利行使をすると、相手から損害賠償請求をされてしまうといった危険もあります。

弁理士 高橋洋平
アイラス国際特許事務所
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